2013/12/27
富山大学 応用機械情報研究室に高速計算機をご導入頂きました。
富山大学 松島紀佐先生は、航空空気力学における 空力解析や逆問題設計を専門としています。
私たちの研究室は主に以下の様なテーマを研究しています。
・空力シミュレーションと数理モデルによる翼形状の逆問題手法の研究
・空力逆問題解析を生かした設計システムの構築
・空気力学における多体問題と相互干渉効果の理論と数値計算手法の研究
・次世代超音速旅客機(SST)開発をめざした計算機シミュレーション
2013年7月の開催された流体力学講演会/航空宇宙数値シュミレーションシンポジウムで機器展示されていたのを見て初めて知りました。
http://www.jsass.or.jp/aerocom/ryu/ryu45/
これまでは1 CPU 6 コアでメモリも精々 32GBだったが今回は 3.40GHz 16コア(並列),64GBメモリ搭載という驚異的な高速性能を実現されたと伺っておりました。シンポジウムでもその高性能が語られていたので一度試してみたかった! また、私共が使用しているアプリソフトウエア(特定のものでなく一般的な高速流体解析計算全般)に向いたアーキテクチャーであると感じたので、コンパイルオプションを工夫してより高速化が実現できると感じました。
1 CPU 8 コア ,3.40GHzのメニコア高クロックCPUが発売されたので 2個 16コア(並列)計算を行いたく
HPCテック社の計算機を導入致しました。
私達の研究では、設計結果を得るために空力シミュレーションを数十回行うことが必要となることもあり、空力シミュレーションが精度良く(高密度メッシュ)短時間で行えることが設計効率を決定致します。そのため、シミュレーションを実行させる計算機は、高クロックでしかも並列化すればするほど実効効率が上がるのでやはり単体のワークステーションが有り難いのです。単体なのでメンテナンスも楽であることも大きな魅力である。
ただ従来の計算機では、ノード辺り 2.80GHzのクロックで12並列が最高でしたが、今回の導入で一挙に高速になりました。
サンプル
解析対象 超音速旅客機の胴体単体の空力シミュレーション(逆問題設計の解析部分として利用)
マッハ数1.6 迎角0°の 胴体周りNavier-Stokes simulation 230万要素
Fastarを使っていくうえでメニコア・大規模計算は研究に欠かせません。今後は、計算の内容に合わせてさらにチューニングなどを行いながら、計算技術の開発に取り組んでいきたいと考えています。
松島先生取材にご協力ありがとうございました。
これからも研究活動に弊社もご協力させて頂きます。
非構造格子に用いた空力シミュレーションを用いて、計算機と数理モデルによる翼の逆問題空力システムの研究を行った。
音速近辺のマッハ0.95あたりに空力性能が向上するスイートスポットがある事が分かっている。その事実を利用して、音速よりわずかに低い速度で巡航飛行する航空機の実現を模索した。
翼相互の空力干渉を数値計算と理論数式を用いて解析した。タンデム翼や複葉、隊列飛行の際の空力干渉効果について研究し、干渉効果の数理モデルを作成した。
複葉翼によって衝撃波と膨張波を干渉させ、抵抗やソニックブームの原因を低減させるメカニズムを3次元に拡張しで、次世代の超音速機技術に発展させた。
PIV実験の特性とCFD技術を融合させて、移動物体の空力性能を精密に解析出来る計測技術の確立を目指す。この研究により、自動車や航空機等の輸送車体の設計技術の簡素化・高度化が期待できる。
計算機と数値流体力学シミュレーションを用いて、風洞実験を用いずに効率的経済的に新型航空機を設計するシステムを研究した。PCを用いて簡便に設計のアイデア試せるしソフトを開発した。
経済産業省