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導入事例

2012/12/28

[導入事例] 慶應義塾大学 志澤研究室 様

慶應義塾大学 志澤研究室様にPCクラスタを導入して頂きました。

研究内容

本研究室では、金属およびポリマの大変形塑性現象に関するマルチスケールモデリングとその数値シミュレーションの研究を行っています。学生はそれぞれ金属チームとポリマチームのいずれかに所属して研究に取り組んでいます。

 METALチーム ~ サブミクロン系の結晶変形シミュレーション ~

金属結晶内の転位組織形成(Cell,Subgrain)や金属の熱処理にともなう再結晶組織形成などを反応-拡散系モデル(転位の反応-拡散方程式,Phase-field方程式)によって非線形FDM解析するとともに、得られた下部構造の情報を結晶塑性モデル(硬化係数など)に反映させて結晶の変形場に対する非線形FEM解析を実施しています。さらに、更新された変形場の情報を下部構造に戻して、同様の計算を繰り返すことでミクロ場とマクロ場が連成したマルチスケールシミュレーションを実現させ、このような研究を通して塑性力学と材料科学のブリッジングを試みています。

 

Polymerチーム~ 輸送機器の衝突安全性CAE ~

近年過酷な力学的環境下での使用が要求されているエンジニアリングポリマの大変形現象を再現するため、結晶塑性モデルのアナロジーから開発したポリマ用のマルチスケールモデルである分子鎖塑性モデルを用いて、延性ポリマの非線形FEM解析を行っています。このモデルの特徴は、ミクロな分子鎖の挙動を自由体積変化に基づく確率論的非弾性応答則で記述するとともに、分子鎖すべり系の独立回転に基づいて分子鎖配向を直接再現できる点にあります。また、これらの成果を輸送機器の衝突安全性CAEに応用すべく研究を進めています。

導入システム

ご使用いただいたご感想を教えてください

(1)最新のIntel Xeon Westmere 6 Core を1ノードに2個搭載して3ノードクラスタ合計36並列を実現
この世代では最速の3.46GHzのCPUを搭載しており、従来の1ノードあたりの計算機と比較して数倍高速になっております。今回はさらに36並列なので大規模計算になるほど高速化が体感できました。

 

(2) 120GB SSDを起動ディスクに
事前に聞き及んでいた計算速度をはるかに越える高速性能であると思いました。特に、OSの起動時間は体感で3倍程度速く感じます。大量の小さなデータ(画像データなど)の読み込み速度には目を見張るものがあり、大変満足しています。

 

(3)大容量96GBメモリ
コンピュータで解析を行う際、システムメモリはCPUと合わせて重要な要素となります。今までの計算機であれば、コアあたり4GBも搭載できれば良い方でしたが、今回導入の機器では8GBを搭載しているため申し分ありません。

 

(4)クラスタ管理ツール“Bright Cluster Manager”を搭載

クラスタ管理ツールを初めて使ってみましたが、各種のソフトウェアやコンパイラーなどをこのソフトから管理でき、またジョブ管理もスムーズに行えて大変便利です。バージョンアップや増設が容易である点も評価できます。

 

■総合
近年、研究分野のボーダレス化が進むとともに、グローバルな異分野・異文化連携や協調的研究のための質の高いコラボレーションが要求されております。当研究室ではこの要求に対し、特に大規模データを生成する数値シミュレーションを行う研究分野に着目しております。また、実験結果を利用して、数値シミュレーション結果の精度を向上させるパラメータ最適化に関する研究も行っております。このような研究を進める上で非常に強力なコンピュータであるといえます。

最後に

日本や海外での数多くの学会活動のお忙しい時期でありながら、当社製品に高いご評価をいただき、心より感謝申し上げます。志澤研究室のこれからの研究成果とご健勝をお祈り申し上げます。

 

■志澤研究室の紹介

慶應義塾大学理工学部機械工学科
慶應義塾大学大学院理工学研究科総合デザイン工学専攻
マルチディシプリナリ・デザイン科学専修
志澤研究室

〒223-8522 横浜市港北区日吉3-14-1

弊社では、科学技術計算や解析などの各種アプリケーションについて動作検証を行い、
すべてのセットアップをおこなっております。

お客様が必要とされる環境にあわせた最適なシステム構成をご提案いたします。

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