2015/08/10
2TBメモリ4CPU搭載計算機を2台導入頂きました。
早稲田大学 大石研究室 森倉悠介先生 と 関根晃太先生 にお話しを伺いました。
現在、コンピュータを利用した数値計算は「ただ計算するだけで、その精度は保証しなくてよい」という常識の下に行われています。 “精度を保証するのが大変である”という信仰があるためです。
このような常識に挑戦し、“精度の保証された数値計算を行うのが常識となる日がくるようにしたい”というのが大石研究室の目標です。
Q:森倉先生、最近はどのような研究をされていますか?
計算機を使用して規模の大きい線形連立一次方程式を解く研究をしています。 今回の2TBという莫大なメモリを使う事が出来るので、今までよりも大規模な方程式を解くことが出来ます。具体的にはMATLAB等も使いながら、超大規模計算をやっています。 MATLABの速度を上げるだけならGPUを使っても良いのですが、それはGPUのメモリに収まる範囲でしか高速にはなりません。それより大きくなりますとデータ転送がボトルネックになりますので、それを考えると2TBメモリという超大容量メモリをCPUのみで計算する方が高速で解を導く事が出来ます。
Verified numerical solution
Q:森倉先生、今後の展望を教えてください。
更なる解を導くために、2TBメモリ搭載している超大容量のメモリとCPU40コアを使った精度保証計算のより早い計算手法を研究しようと考えています。
Q:関根先生、最近はどのような研究をされていますか?
偏微分方程式の解の存在を証明する研究をしています。これは、計算結果が本当に“正しい”のか“誤差で正確なものではない”のかを調べるもので、大石研究室のメインテーマでもある『精度保証計算』にも合致しています。
放物型偏微分方程式
Q:関根先生、今後の展望を教えてください。
今まではHPCテックさんの512GB計算機でメッシュを作っていましたが、2TBメモリ計算機ですと、それより大規模に細かくメッシュを切り、制度を上げる事が出来るのでこれからこの計算機を使うのが楽しみです。
大石研究室ホームページ
http://www.oishi.info.waseda.ac.jp/
2TB計算機を操作しているお二人