2013/12/27
東京大学 伊藤伸泰研究室にメニーコア(CPU,GPU, Xeon Phi )クラスター計算機をご導入頂きました。
東京大学 統計物理・計算物理工学専攻 伊藤研究室では、統計物理・計算物理の数値シミュレーションを行っています。
本研究室では世の中の森羅万象を、できる限り正確に記述し予測する客観的な枠組(モデル)をつくることが理論物理学の目標です。この目標に向かって、あるときは実験事実に導かれ、あるときは思考実験・ブレインストーミングを試み空想を膨らませ、またあるときは博物学の密林に分け入って多様な現象の採集を試み、とさまざまなアプローチを試みています。特に、たくさんの要素からなる現象を、コンピュータを駆使して解析・研究しております。コンピュータのおかげで、モデルの可能性が格段に広がりました。微分方程式に代表されるような解析的なものだけではなく、代数的、離散的、ゲーム論的なモデルも自在に使えるようになりました。物質の相転移・流れといった一見して物理的なものから、生物生態、社会、経済などの現象が対象になります。
この広がりも、コンピュータのおかげで統一的な研究対象となりました。このような研究を通して現実世界(リアリティ)へ迫るとともに、リアリティとは何かを追求しております。
研究室ホームページ
http://aph.t.u-tokyo.ac.jp/~ito/
今回導入したメニーコア計算機は最新のインテルXeon Phi コプロセッサーを搭載したサーバを含めて、インテルの最新Ivy Bridge メニーコアを2基それぞれ搭載しPCクラスターで6台連結したシステムです。計算機を可能な限りコンパクトな設計にして24Uのラックの中に収めました。
これまで単体のワークステーション型計算機やサーバをInfiniBandで連結し使用してきました。ですが、やはりまだまだ純粋な計算資源が足りません。今回導入したPCクラスター計算機では、クラスター管理ノードを含め5台 計50コアの計算資源を確保する事ができ、しかも最新のインテルXeon Phi コプロセッサーを搭載したサーバも使用する事ができました。場所を取らない高密度実装なので今後の増設スペースも確保し大きな計算を常に効率的に行うことができます。
今後、高性能な並列計算機はますます普及すると感じております。最近では、Intel社からXeon Phiなどのメニーインテグレイティッドコアも発売され、新しい計算のパラダイムが登場してきております。今後は、計算の内容に合わせて適材適所でメニーコア並列計算やXeon Phiなどを活用し、新しいシミュレーション方法や計算技術の開発に取り組んでいきたいと考えております。
伊藤先生取材にご協力ありがとうございました。
これからも研究活動に弊社もご協力させて頂きます。