2014/01/23
Particleworks と TESLA K20 搭載計算機を一緒に導入頂きました。
東京工業大学 精密工学研究所 北條・松村研究室では、はすば歯車のダイナミクスや低振動設計法の研究を原点とした流れを汲むグループです。主に自動車用トランスミッションに用いられる はすば歯車に関してさらなる低振動化のための振動解析や現象解明を行なっています。それに伴い、より高度な振動計測法や音場可視化法に関する研究も行なっており、実用性を念頭に置いた方針で研究を進めています。
また、東京工業大学大学院 総合理工学研究科 精密機械システム専攻に協力講座として参画しており、博士課程や修士課程の学生のほか、東京工業大学の機械系学科の4年次学生を受け入れ、研究活動を通じて修了・卒業の指導を行なっています。
研究室の風景
http://www.ds.pi.titech.ac.jp/cat17/detail_27.html
研究室ホームページ
http://www.ds.pi.titech.ac.jp/
主に以下の様なテーマを研究しております。
●瞬時音場計測による機械騒音の可視化
●膜の非接触振動計測による音場計測法
●歯車のかみあいに起因する歯溝内空気流挙動の把握と解析
●動力伝達系の振動挙動の詳細な把握と低振動設計
●歯車系の振動挙動の詳細な把握と低振動設計
●歯車系における減衰の同定に関する研究
●かみあい非整数次振動の原因と歯形測定による検出手法
本研究室に所属する学生は、学部4年生10名程度、大学院学生約20名弱であり、助教授と准教授で各々が異なった研究テーマに取り組んでいます。
日本機械学会で展示されていたので初めて知りました。
これまではCPUコアをたくさん使ったメニーコア計算機でメモリも精々32GB程度でしたが、今回は最新の NVIDIA Tesla K20 という GPGPU Card (2496コア)という驚異的なコア数を搭載していたのを知り試してみたかったのです。同時に粒子法計算の解析ソフト Particle Works も運用したかったので導入致しました。
【粒子法計算の解析ソフト Particle Works】
Particleworks は、格子生成が不要な新しい計算手法である粒子法の理論に基づく流体解析ソフトウェアです。流体を粒子の集まりとして表現することで、飛沫などの自由表面を伴なう液体の挙動を精度良く安定的に解析することを可能にしました。煩雑なメッシュ生成が不要で、複雑な挙動を伴う機構であってもCADデータからダイレクトに流体シミュレーションを実行することができます。
計算機本体には1CPU 4コアのCPU (4並列)、64GBメモリ搭載されており、また NVIDIA Tesla K20 という GPGPU Card には2496コアという驚異的なコア数が搭載されています。これまで研究室で使用していたのは1CPU 6コアのみだったので、2496コア(並列)というモンスターマシンです。しかも設置した部屋には、すぐそばに学生もいるので、これだけの大規模な計算機で静音はとても助かります。
私の研究室では、並列化計算を勉強するのが目的ではなく様々な実験も行っています。やはり実験では補えない部分はシミュレーションで補足した方がトータルとしての研究成果が上がります。やはり従来の計算機では大規模な計算にはとてつもない時間がかかっていたため、やはりGPGPU計算機は有り難いたいです。場所も電気代も圧倒的にかかりません。
特にマトリクスサイズが大きいものほど実行性能が向上するので、規模な並列シミュレーションや大きな計算には非常に効率的に行うことが出来るはずです。粒子法が歯車の潤滑や効率の予測に使えるかを評価しつつ、その実用可能な条件を探り、問題の内容やサイズ・計算の内容に合わせて適材適所で GPU と Xeon CPU を使い分け、高速シミュレーションに取り組んで行きたいです。