2013/12/27
東京理科大学 山本数値流体研究室にメニーコア大容量メモリ搭載計算機をご導入頂きました。
東京理科大学工学部機械工学科 山本研究室では、流体力学および熱力学にかかわるさまざまな工学問題の数値計算あるいは数値予測を研究テーマとしております。熱流体の数値計算(いわゆるCFD)は、スーパーコンピューターに代表されるような計算機の急速な発達にともなって、乱流、燃焼、混相流など流体現象自体を解明するための基礎的なものから、流体機械、航空機、自動車、船舶、原子炉などの3次元設計に利用される実用的なものまで、さまざまな分野で広範囲に行われるようになりました。最近では、熱流体現象だけではなく、熱流体現象に他の物理現象がカップルしたマルチフィジックス現象に対する数値予測へのニーズが急速に高まってきております。このため、本研究室では、マルチフィジックス現象の正確な数値予測を主たる目的として、圧縮性、非圧縮性流体にかかわらず、新たな物理モデルやマルチフィジックス・シミュレーション手法の提案を行うとともに、種々の工学的問題への適用を通じて、マルチフィジックスCFDの高精度化、高効率化、実用化について研究を進めております。本研究室に所属する学生は、例年、学部4年生10名程度、大学院学生約20名弱であり、各々が異なった研究テーマに取り組んでおります。
私たちの研究室は主に以下の様なテーマを研究しています
(航空宇宙分野の研究)
・ジェットエンジンにおける着氷現象の数値シミュレーション
・ジェットエンジンにおけるサンド・エロージョン現象の数値シミュレーション
・ジェットエンジンにおける粒子付着現象の数値シミュレーション
・タービン翼列間における水素燃焼の数値計算
・翼端隙間流れの吹き出し制御に関する数値シミュレーション
(産業用機械分野の研究)
・固液分離装置における3相流の数値シミュレーション
・化学的除染システムの数値シミュレーション
・タイヤの空気力学特性とその制御に関する数値シミュレーション
・風力タービンの流体力学特性の数値シミュレーション
(その他分野の研究)
・ロープの流体力学特性の数値シミュレーション
・海中防波堤による津波抑制の数値シミュレーション
・脳動脈瘤のステント治療に関する数値シミュレーション
研究室ホームページ
http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/~yamamoto/about.html
日本流体力学会で機器が展示されていたのを見て初めて知りました。
これまでは1 CPU 6 コアでメモリも精々 64GBでしたが、今回は 2CPU 計24コア(並列) 256GBメモリ搭載という驚異的な大容量メモリを搭載しているのを見て試してみたくなり導入に踏み切りました。
今回1 CPU 12 コアのメニーコアCPUが発売されましたので 2個 計24コア(並列)、256GBメモリ搭載の大規模計算機を導入致しました。これまで研究室で使用していた計算機は1 CPU 6 コアでしたが、今回はコア辺り 10.6GBのメモリ空間があり、24コア(並列)で256GBのメモリ帯域が確保できるモンスターマシンです。しかも、静音です。計算機を設置した部屋には、すぐそばに学生もいるので、これだけの大規模な計算機で静音設計は有り難いです。
私の研究テーマでは、並列化すればするほど実効効率が上がりますが、研究室の学生が便利に使おうとするとやはりPCクラスターではなく単体のワークステーションの方が使い勝手が良いです。 ただ、従来の計算機では、ノード辺り12並列が最高だったので、今回の導入で一挙に2倍の24並列になりました。実行速度は概ね3倍になりました。 大規模な並列シミュレーションや大きな計算も非常に効率的に行うことができたと思います。
サンプル
ソフトウェアの改良に伴って、やはりメニーコア・大規模計算は研究に欠かせません。今後は、計算の内容に合わせて適材適所でGPUやXeon Phiなども活用し、新しいシミュレーション方法や計算技術の開発に取り組んでいきたいと考えております。
山本先生取材にご協力ありがとうございました。
これからも研究活動に弊社もご協力させて頂きます。