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導入事例

2013/07/02

[導入事例] 東京農工大学 山中晃徳 先生

東京農工大学 大学院工学府機械システム工学専攻 山中晃徳 先生にGPUクラスタを導入頂きました。

研究内容

東京農工大学大学院工学府機械システム工学専攻 山中研究室では、フェーズフィールド法や有限要素法を用いて金属材料中の結晶粒や析出物などのミクロ組織の形態形成、力学特性を数値シミュレーションにより予測するための数値解析手法の開発を行っています。また、フェーズフィールドシミュレーションのGPGPUによる並列計算や大規模計算の研究も行っています。

 

研究テーマ

研究室では、フェーズフィールド法による鉄鋼材料の製造プロセスや熱処理等で生じるミクロ組織形成の数値シミュレーション法の開発を主な研究テーマとしています。最近では、GPGPUを用いたフェーズフィールドシミュレーションの高速計算も行っており、下の図に示すような鉄鋼材料中で生じるミクロ組織変化の3次元シミュレーションを効率的に行えるようになりました。たった1台のGPUでも、以前のCPUを用いた計算では困難であった、3次元シミュレーションが簡単に行えるようになったことは、実際の材料開発においても非常に有益なことであると考えています。

導入システム

回導入したGPGPUクラスター計算機システムは、NVIDIA Kepler 20Xを2基搭載しInfiniBand QDRで3台連結したシステムです。計算機システムを設置した部屋には、すぐそばに学生もいるので、計算機を可能な限り静音設計にしたラックの中に収めました。

 

今回の計算機の導入目的

私は、2012年10月に東工大から移籍し、農工大で新たな研究室を立ち上げました。今年の4月から3人の大学院生と学部生も加わり、研究室として本格的にスタートしたところです。研究室では、すでに複数台のGPGPU計算機が稼働していましたが、フェーズフィールド法は計算コストが大きいため、大規模なフェーズフィールドシミュレーションを効率的に行うために、今回の計算機システムを導入しました。

農工大ではGPGPUクラスターシステムを導入している研究室は多くはありません。学生もほとんど見る機会がないかと思います。研究室のすぐ傍で稼働するGPUクラスターを見ながら、研究に邁進してもらえればと思っています。今後も、GPGPUは発展していくと思いますので、計画的にシステムを増強していく予定です。

 

これまでのGPGPU単体と比べた、クラスタの感想を教えて下さい

私の研究では、これまで単体のワークステーションやワークステーション2台をInfiniBandで連結した計算機を使用してきました。1台や数台のGPUでも以前のCPU計算に比べれば、十分に3次元シミュレーションを効率的にできるのですが、やはりまだGPU1台あたりのメモリー容量が小さいのが欠点です。今回導入したGPUクラスター計算機では、クラスター管理ツールであるBright Cluster Managerもインストールして頂いたためMPIなどのライブラリーも簡単に使用でき、実験結果とシミュレーション結果を比較できるような大きな計算も非常に効率的に行うことができました。

今後の展望

フェーズフィールド法をGPUなどを用いて高速かつ大規模に計算し、実験観察と変わらない精度で材料組織形成の解明や予測がより現実となってきています。私の研究分野でもGPGPUのユーザーが増えてきており、高性能な並列計算機はますます普及すると感じています。最近では、Intel社からXeon Phiなどのメニーインテグレイティッドコアも発売され、新しい計算のパラダイムが登場してきています。今後は、計算の内容に合わせて適材適所でGPUやXeon Phiなどを活用し、新しいシミュレーション方法や計算技術の開発に取り組んでいきたいと考えています。

最後に

当社製品・サービスを有効に活用いただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

山中研究室ホームページ http://www.tuat.ac.jp/~yamanaka/

 

略歴

2012.10~ 東京農工大学大学院工学府 機械システム工学専攻 准教授
2008.12~2012.09 東京工業大学大学院 理工学研究科 機械制御システム専攻 助教
2008.10~2008.11 日本学術振興会特別研究員PD
2006.10~2008.09 神戸大学大学院自然科学研究科 博士後期課程早期修了 博士(工学)取得
2007.04~2008.09 日本学術振興会特別研究員DC1
2005.04~2006.09 神戸大学大学院自然科学研究科 博士前期課程早期修了
2001.04~2005.03 神戸大学工学部機械工学科
1997.04~2000.03 大阪府立高津高等学校
所属学会:日本機械学会(正員), 日本材料学会(正員), 日本鉄鋼協会(正員), 日本塑性加工学会(正員)

主要研究テーマ

フェーズフィールド法に基づく鉄鋼材料の材質予測
キーワード:Phase-Field法, 有限要素法, 均質化法, 結晶塑性, 鉄鋼材料
学位論文:「Phase-Field法による鉄鋼材料の組織形成予測および力学特性評価に関する研究」(神戸大学2008/9)

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