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導入事例

2014/05/02

[導入事例] 立命館大学 鈴木研究室 様

COMSOL運用高速計算機を導入頂きました。

研究内容

 

研究室・研究内容の紹介

  鈴木研究室では、微小電気機械システム(MEMS)技術を展開した、無線・光コンポーネントの研究開発を行っています。 この研究は将来、マイクロ領域における電磁波と機械振動を融合させた新規研究領域の開拓につながると期待できます。 この研究によって、移動体ワイヤレス通信およびセンシングシステムの高機能化が実現でき、次世代のユビキタスネットワーク社会の基盤構築に寄与することを期待しています。

 

 鈴木研究室では現在、ミリ波レーダMEMS共振器MEMSフィルタジャイロセンサの研究、設計、製作を行っています。

 

ミリ波レーダとは --------------------------

 ミリ波(ミリは)とは波長1~10 mm、周波数 30~300 GHz の電磁波です。英語でExtremely High Frequency であることから、EHFとも呼ばれています。ミリ波は強い直進性があり、非常に大きな情報量を伝送することができ、100 m 程度の距離において雨や霧による影響をほぼ受けません。このため、比較的短距離の無線アクセス通信や画像伝送システム、簡易無線、自動車衝突防止レーダ等に利用されています[1]。このミリ波を用いたミリ波レーダをRF-MEMSの技術を用い、コンポーネントであるRF-MEMSスイッチ・移相機・アンテナの低損・低消費電力・小型化を目指し研究に取り組んでいます。

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MEMS共振器とは --------------------------

 携帯電話に代表される無線通信機器には多数の水晶振動子が使われています。我々はこの水晶振動子に代わる高性能な振動子であるMEMS共振器を設計、開発しています。現在の水晶子では高周波化が困難であり、将来的に社会の高いニーズに対応できなくなるといわれています。MEMS共振器は高周波化が可能であることから、水晶振動子に代わって社会の要望に応えることができると期待されます。

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MEMSフィルタとは --------------------------

 電話回線、無線通信などの通信端末の多機能化に伴い多くの周波数が使用されるようになりました。現在、複数のフィルタを使用して対応させていますが、より小型化・多機能化が求められています。我々は1つのデバイスで複数の周波数をフィルタリングすることが可能なMEMSマルチバンドフィルタを研究開発しています。

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ジャイロセンサとは --------------------------

 ジャイロセンサとは飛行機や人工衛星の姿勢制御から、カーナビやデジカメの手振れ補正、ゲーム機のコントローラにまで幅広く利用されているセンサのことです。本研究室ではMEMS振動型ジャイロセンサを研究しています。MEMS振動型ジャイロセンサは小型で安価ですが感度がそれほど高くないとされており、高感度になるよう研究しています。

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参考文献

周波数帯ごとの主な用途と電波の特徴:総務省電波利用ホームページ

http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/search/myuse/summary/index.htm.

 

 

 

研究生への期待

 MEMS技術の教育面での特徴は、機械構造体を利用しますので、デバイスの構造や動きを視覚的に表現できることです。また、CAD技術を利用すると、デバイスの詳細な理解を待つまでもなくデバイスの設計を行うことができます。半導体プロセス装置の普及により、デバイスの作製がとても容易に行えるようになりました。このため、当初は私の仕事を観察していた学生たちでしたが、いまや自分たちで実験を進めることができるようになりました。しかし、デバイスの深い理解が欠けているために、ときどき妙な方向に研究が進み、そしてただ徒労な努力となって終わることがあります。私は、積極的に議論をすることを全研究員に薦めております。私たちの研究室には多数の白板が設置されております。この白板を使って、学生と共に新しく生まれたアイデアを日夜議論しています。

 

これまでに研究実績について教えて下さい

 今から20年前(平成6年)、立命館大学びわこ草津キャンパス(BKC)は、手狭になった京都衣笠から分離して新たに理工学と経営・経済の教育研究の拠点として設立され発展してきました。私は、その頃企業研究所にいて半導体産業の栄光と衰退を身近にみつめておりました。やがて、社会と企業の閉塞性を打破する場所として、大学に新たな可能性を抱くようになりました。大学では私が永らく研究に携わっていたMEMS(微小電気機械システム)技術を現在大きな技術革新が進展している情報通信分野に応用する研究を始めようと考えました。

 

発表や論文は下記を参照。

http://www.ritsumei.ac.jp/se/~ksuzuki/pub.html

 

導入システム

 

導入システムと使おうと思ったきっかけ、用途・狙い・目的など

 毎年行われているCOMSOLのセミナーの展示コーナーでHPCテックさんの製品を知りました。私たちは微小電気機械システム(MEMS)技術を展開した、無線・光コンポーネントの研究開発を行っており、 この研究は、将来に、マイクロ領域における電磁波と機械振動を融合させた新規研究領域の開拓につながると期待されます。この解析に最適なのがマルチフィジクスシュミレーションであるCOMSOLですが、そのCOMSOLの計算を加速化する計算機を探していました。HPCテックさんの製品はCOMSOLの販売元でも実際のテストに使われていますので安心でした。並列数も従来よりはるかに多い12並列まで可能になり、更に将来はその二倍までアップグレードできるのは非常に魅力的でした。

 

これまでの計算機と比べた感想を教えて下さい

 これまで数時間もかかっていた数値シュミレーションが短時間で計算できるようになり、特に3次元の解析には効果的でした。並列計算も12並列まで可能になり、搭載メモリも64GB でコアあたり5GBまでメモリ領域が確保できるので、従来出来なかった様な計算が可能になるという成果がありました。

今後の展望

 世界からは“失われた20年”と言われることも多々ありますが、大学と企業が連携してこれからの日本のもの作り・人間作りを行っていくうえで、これまでの疑問を解決したり、新しい物事を思考したりする事は大事な事だと考えます。数値シュミレーションに関しては、最新の計算機性能を最大限有効に活用して研究を継続していきたいと思っています。

 

産学連携について

 現在の日本の産学連携は、米国の80年代の状況に近いといわれております。両国とも産業界の体力が弱くなったことから、大学に教育ならびに研究に対して成果を出すことを期待するようになりました。大学と企業の双方からみて興味の持てる研究テーマを発掘することが最も重要です。現在の日本ではこのような研究テーマを発掘することは未だ困難なように思われます。大学と企業との間の人的交流をさらに拡大することが大切です。ここで私のいう人的交流とは、双方に信頼と尊敬が生まれるような段階まで辛抱強く育てていくべきものであります。

 

最後に

 鈴木先生、ご多忙な中貴重なお時間を頂きありがとうございました。

 これからも研究活動に少しでもお役にたてる様弊社もご協力させて頂きます。

 

 

 

 

弊社では、科学技術計算や解析などの各種アプリケーションについて動作検証を行い、
すべてのセットアップをおこなっております。

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