2017/11/22
Deep Learning 用計算サーバを導入頂きました。
電気通信大学 長井隆行教授にお話を伺いました。
電気通信大学 長井研究室様は様々な知能システムに関する研究を行っています。人間のような柔軟な知能をロボットで実現することで、人間の本質をより深く知ることが大きな目的です。人間のような知能を実現するためには、幅広く様々な研究を行う必要があるため、複数のチームに分かれて、多くのプロジェクトを並行して進めています。
▶ CREST Collaboration Project
言語獲得・理解,真のコミュニケーション、そして社会を生み出すような、高いレベルの知能を身体運動制御レベルからボトムアップに構成します。記号創発ロボティクスの考え方を基盤として、クラウドロボティクスやサイバーフィジカルシステムを統合しながら発展させる…そんな人工知能×ロボティクスの新しい形に挑戦しています。
▶ Cognitive Interaction Design Project
子供たちの遊びの場を計測・解析・モデル化する技術の開発に取り組んでいます。これによってインタラクションや発達の本質を知り、得られる知見や技術を人ーロボットインタラクションや保育所の情報化など様々な応用に結びつけることを目指しています。
▶ Robocup@Home Project
ロボットが実際の家庭でロバストに動作するかどうか、厳しい評価が必要であると考えています。その評価の一環として、Robocup@Homeに参加しています。Robocup@Homeでは、世界各国の研究機関から優れたロボットが多数参加し、家庭用タスクの技術を競っています。私たちは日本及び世界大会で度々優勝を収めています。
▶ Child Care Robot Project
研究の実社会への応用として、ChiCaRoを開発しています。ChiCaRoは、遠くから乳幼児とふれあえる小型ロボット型コミュニケーションツールです。ChiCaRoによって一人で子どもを見ることの多い核家族の育児を助け、離れて暮らす祖父母と子どもの交流の機会を増やし、離れて暮らしていても大家族のように過ごせる新しい家族スタイルの創出を目指します。
私達のグループでは、人間がもつ柔軟な知能を再現するシステムを実現するという構成論的アプローチによって、人と親和性が高い知能の実現とそのメカニズムの解明を目指しています。そのようなモデルにおいては、マルチモーダル情報処理や時系列情報処理などの能力が求められ、高速な演算能力や大規模データの処理能力も重要な要因となります。近年、大規模データの処理に長けた深層学習が飛躍的な発展をみせ、高い性能を発揮しています。こうした技術を活用することによって、私達の推進する知能モデルの構築が更に進むことを期待し、大規模なGPUを搭載する計算機の導入を行いました。
計算資源が大幅に拡張したことで、検討するモデルや検証実験の幅が広がりました。これは、計算速度の向上による時間の短縮だけでなく、メモリ量の増大によるモデルの大規模化が可能になったことが大きな要因です。この計算資源を活かし、これまでに行うことが難しかった検証実験も含め、多様な検証に取り組み、有益な知見を得られるように研究を進めたいと考えています。