2014/08/04
TESLA K40 搭載MATLAB用高速計算機を導入頂きました。
鹿園研究室の焦震鈞先生にお話を伺いました。
私たちは将来のエネルギーを支えるための新技術の研究開発を行っています。あらゆるエネルギー機器において画期的な性能向上が求められている中で、600~1000℃という高温で作動する次世代の燃料電池である固体酸化物形燃料電池(SOFC)、および数100℃以下の温度で作動する蒸気エンジンが主な研究対象です。
固体酸化物形燃料電池の電極ではその微細構造、すなわち反応ガス、電子、イオンの導電パスや、電極反応の場である三相界面 (Triple phase boundary,以下TPB)や、ネットワークの接続性がその分極特性に大きく影響を与えることが知られています。
電極3次元微細構造をFIB−SEMにより定量化するとともに、格子ボルツマン法を用いて電荷輸送と電気化学反応を連立させた数値シミュレーションを行い電極過電圧特性と微細構造の相関付けを行っています。
資料リンク:http://www.feslab.iis.u-tokyo.ac.jp/Doc/SOFC-p2014.pdf
10年前より使用しているMATLABによる計算をアクセラレータ“NVIDIA TESLA K40”を使用するとどのくらい速くなるかを試したいと思っておりました。そこでNVIDIAさんのスタッフにお聞きしたところ、NVIDIAさんの協力のもとHPCテックさんが GPU TEST DRIVE と言う TESLA K40 搭載の計算機を無料で使用できると言う事をお聞きしてHPCテックさんにお願いしたのがきっかけです。
購入前に TESLA K40 を試す事が出来たので即導入に踏み切る事が出来ました。
三次元構造 〔灰色:ニッケル 緑:YSZ〕
材料断面 結晶構造断面
〔白:ニッケル 灰色:YSZ 黒:空隙 〕
現在、研究中の固体酸化物形燃料電池(SOFC)の数値シミュレーションを、更に前へ進める為に
TESLA K40 2基目を搭載中です。
最高の計算機環境が整いつつありますので研究を更に進めて行きたいと思っております。