2014/11/12
最新の Intel CPU に128GBメモリを搭載した LS-DYNA 用高速計算機 を導入頂きました。
東京大学生産技術研究所・大島研究室では工学とバイオの融合を目指して、バイオ・マイクロ流体に関する研究を行っています。特に「脳血管内の血流」と「マイクロ流体デバイス内のマイクロ流動」、この二つの流動現象に注目して、流れの数値シミュレーション(FEMなど)と画像流体計測(PIV、マイクロPIV)の二つのアプローチからこれらの研究に取り組んでいます。また、若い人たちが科学の最先端に触れて学べるSNGやUROPといった教育プロジェクトにも力を入れています。
SNG ---
「Scientists for the Next Generation !! 次世代の科学者を」 を掛け声に、次世代を担う若い人たちに科学に興味を持ってもらおうと、様々なプロジェクトを展開しています
UROP ---
駒場リサーチキャンパスにある生産技術研究所では、IT、ナノテクノロジー、バイオや環境の分野を始めとした工学全般における様々な最先端の研究を行っています。 従来の講義をただ聞くといった受動的な形式ではなく、実験や実習を通して実際に研究に参加することで学部学生のみなさんにこのような先端研究に触れる機会を持ってもらうプロジェクトです。
●マルチスケール血流解析のための脳循環モデルの構築
●循環系血流解析における末梢血管網を考慮した流出境界条件のモデリング
●医用画像からの血管の3次元形状モデリングシステムの開発
●血管壁の変形を考慮した流体構造連成解析
●時系列ステレオPIVによる内頸動脈モデル内拍動流の可視化計測
●剛体壁の実血管形状動脈瘤モデル内流れのステレオPIV計測
●多波長共焦点マイクロPIVを用いたマイクロ混相流の計測
●赤血球と周囲流体の相互作用の可視化計測に向けた共焦点マイクロPIVシステムの開発
●高壁面せん断応力下における血管内皮細胞損傷の定量的評価
●回転格子を用いた一様等方性乱流場の生成
工学とバイオの融合を目指したバイオ・マイクロ流体という分野において、コンピュータシミュレーションや数値解析など、コンピュータハードウェアと最新のシミュレーションソフトウェアの最新技術が占める割合はとても大きくなります。今後更に高度な研究を行う為に最新の計算機を導入しました。
今回は大容量メモリを搭載した最新の計算機にLS-DYNAを導入しました。LS-DYNAは常に製品開発に必要とされるCAEの分野をほとんどカバーすることができる為、解析目的に応じて複数の専用ソフトウェアを導入することが不要となります。ひとつの解析対象(製品)に対して、ただひとつの解析モデルを用意しておけば、データの変換をすることなく構造解析や熱伝導解析等、複数の解析に流用することができる為、解析データの作成やメンテナンスの工数が短縮できます。 今後更に効果的な研究が期待できるので楽しみです。