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導入事例

2015/02/04

[導入事例] 近畿大学理工学部 和田研究室 様

最新のポータブルワークステーションを導入頂きました。

研究内容

  近畿大学理工学部機械工学科 和田義孝先生にお話しを伺いました。

 

研究の内容と最近の研究活動について教えて下さい。

 和田研究室/破壊力学研究室では、有限要素法などの数値計算手法を破壊現象や構造解析に適用し工学の様々な問題を対象としています。特に、計算力学の技術を高度化し様々な問題へ適用しています。シミュレーションと実験を行い材料の破壊挙動の解明を目的として、またその目的を達成するために、ひずみ計測手法の高度化も行なっております。

下記の左図は、複雑なき裂前縁を持つ有限要素法モデルです。こういったモデルは簡単に作成できませんでした。本研究室では、こういったモデルを簡便にかつ確実に生成する手法を提案し実際にモデル化に成功いたしました。共同研究者:東京理科大学 菊池正紀教授
 下記の右図は、試験片に貼られたドットマークシートです。ここでは安定して0.1%以下のひずみを計測できるように手法の改良、ノイズの除去などさまざまな工夫を施しています。これまで用いられてきたひずみゲージに取って代わる新しい全視野ひずみ計測手法を確立することを目的として研究を行なっています。
 共同研究者:米国Virginia Tech, Prof. Tomonari Furukawa

 

 

弾塑性破壊とは / 汎用FEMと高度化されたFEMモデル生成技術による弾塑性き裂進展解析

 両振り荷重の低サイクルき裂進展解析においては材料が圧縮および引張りの応力ひずみ状態が繰り返し交互になります。このような解析の場合構成則、材料の損傷状態、き裂先端の応力およびひずみ場等を評価し、き裂進展シミュレーションを高度化した上で自在に解析できるよう自動化または設定や操作の簡単化が必要です。もう1つの研究テーマは、中靭性鋼管についてき裂進展解析を行い、き裂進展条件の妥当性を検討することです。中靱性鋼においても大きな変形を伴いき裂近傍だけでなく広範囲に降伏します。こういった状態ではき裂先端だけに着目した破壊力学パラメータは使えません。本研究では、き裂進展条件には臨界き裂先端開口変位が適用可能かを調べて、J積分も計算しき裂先端開口変位などと比較し妥当性の検討を行っています。

 

 

高精度ひずみ計測に関する研究

 ドット重心法とはドットマークを貼り付け、カメラにより撮影された画像からドットの重心を求めます。重心の位置の移動量から、ひずみ場を求める手法です。カメラで撮影された画像は、レンズひずみにより歪みます。そのレンズひずみを取り除くことにより、ドット重心法の高精度化が期待できます。
 これまでひずみゲージで行われていた計測が、安定的に高精度、リアルタイム、全視野、非接触で行われるため稼働中の機器・構造物、遠方にある機器・構造物などこれまで困難であった計測が可能になります。

 

 

 統計的手法を用いて、事前に観測されたばらつきからより少ない画像数でより高い精度の位置測定やひずみ測定が可能な方法を提案しています。

 

 

ひとこと

 『学生さんへの教育・研究指導、研究、学生募集すべてい気持ちですすめたいとく思っています。』

 

 

 研究室ホームページリンク
 http://www.mec.kindai.ac.jp/mech/lab/wada/index.html

 

導入システム

 

導入システムと使おうと思ったきっかけ、用途・狙い・目的などを教えてください。

 本研究室ではシミュレーションと実験を行い材料の破壊挙動の解明を目的としています。また目的を達成するために、ひずみ計測手法の高度化も行なっております。この分野において、実験データをコンピュータシミュレーションで数値解析により実証し、また実験ではなかなかできない分野をより高速で低コストに大規模シミュレーションを行う事は非常に有意義なことです。しかも今回のポータブルワークステーションは持ち運びができるので非常に便利です。

今後の展望

 今回はポータブルながらグラフィクスメモリは 8GB 搭載しています。通常のデスクトップワークステーションでもせいぜい 4GB までです。しかもメインメモリは 32GB もあります。次世代スーパーコンピュータを想定したソフトウェア開発も行っており、仮想ノードとして常に使える状況に魅力を感じます。また、疲労き裂進展シミュレーション、繰り返し弾塑性解析などはHDD容量もメインメモリも大きな容量を必要とします。必要とする要件を満たす最高の計算機環境です。今回は Windows 8 と Linux の Dual OS です。今後更に効果的な研究が期待できるので楽しみです。

最後に

 和田先生、ご多忙な中 貴重なお時間を頂きありがとうございました。
 和田研究室の研究活動がますます発展していく様心から祈願いたします。

 

略歴

 平成24年:近畿大学 准教授
 平成22年:Virginia Tech 客員教授
 平成18年:同 助教授(准教授)
 平成14年:諏訪東京理科大学 講師
 平成12年:高度情報科学技術研究機構研究員
 平成09年:東京大学大学院助手
 平成09年:東京大学大学院中退
 平成07年:東京理科大学修士修了

 

学協会活動

 日本機械学会、日本計算工学会、日本溶接協会、原子力研究委員会

 

受賞歴
 2014年07月:日本機械学会
 2013年度_:計算力学部門 優秀講演表彰
 2013年05月:日本安全工学会
 2012年度_:安全工学論文賞
 2012年04月:日本機械学会
 2011年度_:日本機械学会賞(論文)材料力学・材料分野
 1996年10月:日本シミュレーション学会 発表賞

 

 

 

 

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