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導入事例

2015/05/12

[導入事例] 東京理科大学 塚原研究室 様

PCクラスターを導入頂きました。

研究内容

 東京理科大学理工学部機械工学科 塚原隆裕 先生にお話しを伺いました。

 

研究室・研究内容の紹介

 塚原研究室(熱流体力学研究室)は一昨年度に立ち上がったばかりの新しい研究室ですが、卒業研究生から大学院生(修士課程・博士課程)までを含むメンバー14名で熱流体現象の研究に従事しております。主な解析対象は乱流を含んだ三次元非定常の複雑な物理現象であり、支配方程式に基づく数値解析(CFD)によってコンピュータ上に流れを再現して、様々な流動現象の解明・予測・制御を目指して研究を行っています。
 特に精力的に取り組んでいる研究課題として、直接数値シミュレーション(DNS)による壁乱流の亜臨界遷移メカニズムの研究があります。DNSとは乱流モデルを一切用いず、支配方程式を忠実に数値的に解く手法です。これには、乱流中の微細渦を捉える高解像度格子に加えて、大規模な流動構造を収める計算領域が必要となるため、計算コスト(CPUメモリーと時間)の負担は膨大なものになります。従来、国立大学が保有するスーパーコンピュータを駆使してDNSを行っていましたが、近年は個人計算機やワークステーションでも十分に可能となってきました。

 

 下図は、層流-乱流間の遷移域における平行平板間の流れの瞬時場を可視化したもので、大規模DNSにより世界的にも始めて層流と乱流の共存状態を再現した例です(図中,はそれぞれ高速・低速の速度変動,は渦を表す)。これのDNSには、約200GBのCPUメモリーと数万CPU時間の計算が要されました。

 この度のクラスタPCの導入は、この様なDNSをより手軽に手元で行うことを可能としてくれており、さらなる遷移メカニズム解明や乱流遷移の多様性調査を進める上で、有力なツールとなると期待しています。

            図:遷移レイノルズ数域の平行平板間乱流に見る間欠的乱流構造。
              主流は左下から右上に向かっており、乱れの強い領域(局在乱流)が

              主流方向に対して(一定角度・一定間隔で)傾斜しており、

              乱流縞(turbulent stripe)と呼んでいる。

 

  乱流遷移の基礎研究以外にも、下記のような数値計算による研究を行っています。

   ・DNSによる乱流熱伝達および物質乱流拡散の解析。
   ・DNSによる粘弾性流体乱流やトムズ効果の解析。
   ・粘弾性流体に適用し得る乱流モデルの開発。
   ・マイクロ流路内や濡れに関する混相流の数値解析。

 

   塚原研究室ホームページ
    http://www.rs.tus.ac.jp/~t2lab/index-j.html

   学術雑誌論文や国際会議発表など
    http://www.rs.tus.ac.jp/~t2lab/papers-j.html

導入システム

 

 

導入システムと使おうと思ったきっかけ、用途・狙い・目的など教えてください

 私たちの研究室では、これまでその時々で最新の計算機を導入し単体での運用をして参りましたが、研究成果を向上する為に、より効率的な計算資源の有効利用、さらには大規模な並列計算を行ってみたいというのが動機でした。
 最新のCPU 20コア 256GBメモリ 搭載の計算機導入に伴い、計算兼管理サーバの計算機導入と、これまで研究室にあった他社製計算機6台と合わせ、計8台のクラスタ化をHPCテックさんにお願い致しました。導入後に手間のかかるクラスタ管理には “bright computing 社” のクラスタ管理ソフト “Bright Cluster Manager” を導入し、とても簡単に管理を行う事が出来るようになりました。お陰で、クラスタPCの利用者(研究室メンバーや共同研究先の研究者)の管理もたいへん容易になり、まさに一石二鳥でした。
 納品時に使い方等の講習もして頂き、大変助かりました。

 

これまでの計算機と比べた感想を教えて下さい

 今まで研究室で使用していた計算機のCPUは8コアや12コアで、単体での並列計算をしておりましたが、新たに20コアのパワフルな計算機を追加したことで、他大学の大型計算機の利用負担が抑えられ、経済的な一面がありました。さらには、合計8台による大規模並列計算を行う環境ができたことで、その後の研究の幅も拡がりを見せております。やはりクラスタ化の成果としては、管理サーバによる中小規模計算の効率的な負荷分散機能に加えて、比類の無い大規模計算の実現という様々な恩恵があることを実感しております。

今後の展望

 今後はこの大規模並列計算をもとに、世界初や世界最大を目指して様々な計算に取り組んで行きたいと思います。

最後に

 塚原先生 ご多忙な中 貴重なお時間を頂きありがとうございました。
 これからも塚原研究室様に少しでもお役にたてる様、弊社も微力ながらお手伝いをさせて頂きます。

 

 

 

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