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導入事例

2016/03/10

[導入事例] 東京大学 高木・杵淵研究室 様

PCクラスタ5ノードとクラスタ管理ソフト Bright Cluster Manager を導入頂きました。

研究内容

 東京大学 高木・杵淵研究室 吉本勇太先生にお話しを伺いました。

 

研究室・研究内容の紹介

 東京大学高木・杵淵研究室では、希薄気体流れ・混相流・医療応用・生体内流の4テーマに対して、

「ミクロな解析によってマクロな現象を解明する」ことを目的とし、シミュレーション及び実験による

研究を行っています。

 

 

 

希薄気体流れ

 流体を構成する個々の分子運動がマクロな熱流動構造に影響を及ぼすような系では、異なる時空間スケールの現象が複雑に相互作用しています。そこで、このような系を解析するために多重スケール解析という考え方を用いて、電子状態から分子運動、そして熱流動現象を体系的に結びつける数値解析モデル化の構築を行なっています。

 このような研究は、高高度飛翔体や半導体製造プロセス等、様々な分野に応用が可能です。

 

---- 希薄流 ----

<数値解析:電子状態から熱流動構造まで>   <真空実験>

 

混相流

 混相流は水処理の曝気槽や熱交換器を始め、様々なプロセスで見受けられますが、そこには通常の連続体力学の問題に加え分散相と連続相の相互作用による影響が複雑に関わっており、多くの場合に十分な現象の解明には至ってはいません。これは混相流が分子スケールから機器のサイズに至るまで、スケールが多岐に亘るマルチスケール性を有するためであります。例えば、気泡流では界面活性剤などの不純物が流動場に微量に混入しただけでも気液界面の振る舞いが分子スケールで著しく変化し、結果として個々の気泡の振る舞いが大きく変わり、最終的にはシステム全体の流動構造に大きな影響を及ぼします。これらを踏まえた上で本研究室では、気液の相互干渉についてミクロ、メゾ、マクロな視点から、そして数値計算、実験の双方から研究を進め、気液二相流の微細構造から全体像までを理解することを目指しています。

 

---- 混相流 ----

<数値解析:単一気泡から気泡流乱流まで>  <気泡流実験>

 

医療用超音波

 高齢化が進む現代社会において、低侵襲かつ安価な診断・治療法として超音波が大きな注目を集めています。私たちの研究室では、診断・治療一体型の超音波機器の開発を進めています。そのためには、新しいモニタリング(診断)法や治療法が必要となります。その実現に向けて様々な技術開発を進めており、その一つとしてマイクロバブルを利用した技術についても注目しています。

 私たちの研究室では、生体内の超音波の伝播挙動及び超音波照射下におけるマイクロバブルの挙動について、実験及び数値シミュレーションの両面から解析を行っています。

 

---- 医療応用 ----

<数値解析:超音波音場における気泡振動>   <超音波照射実験>

 

生体内流

 生体内の血液循環において、微小循環系は、体組織との物質交換が盛んな重要な場所であり、そこでの流れの解明は生体内における酸素や栄養分の供給の観点から非常に重要となります。また、それだけでなく、副作用の少ない治療法として注目されているドラッグデリバリーシステム(DDS)においても薬剤を放出する部位として重要になります。このような系においては、赤血球やDDSカプセルなどの輸送担体は、その大きさが管径に対して無視できないため、これらを分散体と捉えた分散混相流として扱う必要があります。本研究室では、赤血球を構成する脂質2分子膜をもつカプセル(ベシクル)を対象として、膜を構成する分子のスケールから、ベシクル1個程度のメゾスケール、さらに多数のベシクルが血管中を流動するマクロなスケールに対して数値計算および実験から解析を行っています。さらに、スーパーコンピュータ「京」を用いて、多数の赤血球・血小板を含む系に対し、心筋梗塞、脳梗塞と深く関連した血栓症のシミュレーションを実施しています。

 

---- 生体内流 ----

<数値解析:細胞膜から微小血管流まで>   <脂質二分子膜実験>

 

 

  東京大学 高木・杵淵研究室 ホームページリンク
 http://www.fel.t.u-tokyo.ac.jp/

 

導入システム

 

 

導入システムの狙いや目的、感想を教えてください

 今回導入した計算機は、大規模計算流体力学及び分子シミュレーション用に導入しました。大規模な並列計算機を使用し、効率のよい数値解析を行うのが目的です。
 管理ノード兼ストレージサーバにはデータ量が増えて来ることを見据えてハードディスク4TB を3本搭載しました。CPUとメモリ量はバランスを揃え1ノード当り20コア・64GBのメモリを搭載し、合計100コア・320GBのメモリを扱う事ができ最高のパフォーマンスが期待できます。また、導入後すぐに研究が行えるよう、コンパイラのインストールと後々煩わしくなるであろうクラスタ管理用のソフトもHPCテックさんにインストールしてもらいました。クラスタ管理ソフトは世界中で使われている Bright Cluster Manager を選択しました。このクラスタ管理ソフトは簡単にクラスタを管理、監視などを行うことができます。まだまだ使い慣れてはいませんが、操作は簡単でGUIだけで操作をすることができます。ユーザ管理、ワークロード管理、クラスタの状態、ソフトウェアイメージなど、クラスタ管理のすべてを簡単に操作する事ができるとの事で導入する事に決定しました。また、納品後のBright Cluster Manager使い方講習やメールでのサポートも導入した理由のひとつです。 
 導入したばかりで本格的に使用するのはこれからですが、大規模計算流体力学及び分子シミュレーションを用いた研究を更に進めて行きたいと思います。

最後に

 吉本先生 ご多忙な中、貴重なお時間を頂きありがとうございました。

 これからも研究活動に少しでもお役にたてる様、弊社も微力ながらお手伝いをさせていただきます。

 

 

 

弊社では、科学技術計算や解析などの各種アプリケーションについて動作検証を行い、
すべてのセットアップをおこなっております。

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