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導入事例

2016/11/11

[導入事例] 京都大学 松本研究室様

Intel Xeon Phi Processor 搭載 ワークステーションを導入頂きました。

研究内容

 京都大学 松本充弘准教授にお話を伺いました。

 

研究室の紹介 

 京都大学 松本研究室様では、人間の生存の条件を確保し、人間のよりよい生活を追い求めるためには、熱エネルギー工学の基礎を確かめる努力を続けることが緊要で有ると考え、熱力学・伝熱学・分光学・電磁気学を基礎として、微視的な視点から低温~高温の固体・流体の熱力学性質・熱輸送性質・熱ふく射性質、ならびにそれらの複合現象のマクロ~ナノ機構の研究をされています。

 そのような研究を基礎として、"ものづくり" の工学を支えるプロセスの設計・計測・制御のハード・ソフト技術の開発を熱エネルギー工学の側から進めていらっしゃいます。

 

研究内容の紹介 

 液体が蒸発する、過飽和蒸気から液滴が生成する、過熱液体中に気泡が生まれる、液体が気体を吸収する、といった流体相変化現象はよく知られており、さまざまな工学分野で重要です。こうした相変化をマイクロスケールや分子スケールで調べることで、熱工学・化学工学などの基礎輸送現象の解明を行っています。

 最近のテーマの例として
  ・液体がマイクロヒータで強く加熱されて生じる核沸騰のシミュレーション
  ・微小液滴の固体壁面への衝突と乾燥過程のハイブリッドシミュレーション
  ・高圧下で急激に収縮するマイクロ気泡のハイブリッドシミュレーション
  ・液体噴流(ジェット)が薄い液膜に衝突する際の液膜の変形のミクロシミュレーション
  ・関節軟骨の低潤滑機構を解明するための粗視化シミュレーション
  ・平板の間に挟まれた擬2次元液体の蒸発過程の実験とモデリング
 など、さまざまな課題と取り組んでいます。

 また、固体中のエネルギー輸送も格子振動というミクロな観点から類似の手法で調べることができ、固体熱伝導の制御や新規構造をもつ熱電変換素子の提案へと繋がることが期待されます。このために、マルチスケールのシミュレーションと理論解析を行っています。

 

局所加熱による核沸騰の開始(分子動力学シミュレーション)

 

 

加重下の軟骨ゲル組織内部のエネルギー分布(粗視化シミュレーション)

 

 

 下記リンクに、教材などを置いています。

 http://www.mitsuhiromatsumoto.mech.kyoto-u.ac.jp/

 

 統計物理学や分子シミュレーションなど、いろいろな数値計算に関する授業を行っており、その内容を見ることができます。

    ● 大学院:熱物理工学:ブラウン運動を主な題材として、確率過程、スペクトル解析、
                フラクタル解析などの工学研究に必要な基礎的手法の授業です。

    ● 大学院:熱物性論:相転移の熱力学と統計力学を、Monte Carlo法などの
               数値シミュレーション手法とともに学ぶ授業です。

    ● 大学院:原子系の動力学セミナー:分子動力学法の基礎といろいろな分野への応用を
                      紹介する、リレー方式の授業です。

  そのほか、分子シミュレーションスクールなどでも講義を行っています。

 

 

 京都大学 松本研究室 ホームページ
 http://www.me.t.kyoto-u.ac.jp/ja/research/introduction/netsubutsuri_html

 

導入システム

 

導入したシステムについて

 研究室で開発した分子シミュレーションソフトウェアを使い、クラスタ機での高速並列計算や GPU アクセラレータによる計算を行っています。また、最近は LAMMPS による大規模計算も始めています。

 3年前に導入した Xeon Phi Coprocessor ( 開発コード名:Knights Corner、第1世代 ) の後継機がようやく登場するということを伺い、Intel Xeon Phi Processor( 開発コード名:Knights Landing )を搭載したサーバを試験的に導入しました。メニーコアプロセッサタイプで1チップに64コアを有し、オンパッケージメモリ 16GB MCDRAM を搭載しています。また、メインメモリは 96GB を搭載しました。ストレージは高速なデータアクセスが必要なため SSD を採用し、開発用に Intel Compiler のインストールや MPI 設定など、HPCテックさんに開発環境をセットアップしてもらいました。
 現在、分子シミュレーションコードの移植と性能試験を行っていますが、ヘテロジニアスな構造のためやや特殊なコーディングが必要であった第1世代に比べると、プログラム開発が容易であり、並列化性能が出しやすいシステムだと感じています。

 

 

導入後の感想を教えてください

 従来研究してきた計算機環境を遥かに凌駕する Intel Xeon Phi Processor を搭載したマシンは想像以上に高速でした。この最新計算機性能をフルに生かした教育研究を推進していくとともに、ハードウェア・ソフトウェア両面で今後ともさらに高性能化が期待される計算サーバの技術革新に並走していきたいと考えています。

最後に

  松本先生、ご多忙な中 貴重なお時間を頂きありがとうございました。
  これからも少しでもお役にたてる様、弊社も最善を尽くします。

 

 

弊社では、科学技術計算や解析などの各種アプリケーションについて動作検証を行い、
すべてのセットアップをおこなっております。

お客様が必要とされる環境にあわせた最適なシステム構成をご提案いたします。

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