2013/05/07
東北大学 大学院情報科学研究科情報基礎科学専攻 滝沢研究室 平澤 将一先生にIntel Xeon Phi 搭載計算機を導入頂きました。
高性能計算のためのプログラミングモデルと支援ツールに関する研究を行っています。複雑化した計算システムの性能を最大限に活用するためには、ハードウェア構成を強く意識してアプリケーションの並列性を的確に記述する必要があります。しかしながら複雑化した計算システムにおけるプログラム開発労力が急激に増大しているため、開発を効果的に支援する仕組みについて研究しています。
CPUはIntel Xeon E5-2690 2.90GHz x2 計16コア、メモリを32GB、Xeon Phi を2枚搭載したラックマウント型計算機を導入しました。システムディスクはSSDで構成されています。
以前よりIntelによるメニーコアプロセッサには注目していました。今回SC12で製品発表があり、実際どれくらいの性能が達成できるのか、Intelがどのようなプログラミングモデルを提供するのか、実際に使用して評価したいと考えて導入しました。
GPGPUが注目され始めた時期と同じ状況だと思いますが、プロセッサの詳細な性質が理解され、実アプリケーションで高い性能が発揮できるようになるにはまだ少し時間がかかると思います。一方で、Intelコンパイラを使ってプログラミングをすることができる点は、導入のための障害は少ないと思います。また、オープンソースではないにしても、ライセンス管理が不要で無料の開発環境があると、なお使いやすいと思います。
高性能な並列計算機はますます普及しており、Xeon PhiやGPUなどのアクセラレータコンピューティングが注目され、さまざまな新しい計算のパラダイムが登場してきています。しかし、それらの計算機が持つ高い計算性能を十分に引き出す開発環境、実行環境は成熟していません。このような状況の中で、ユーザが計算したい問題の本質に集中できるプログラミングモデルや開発環境が特に求められています。多種多様な並列計算機を最大限に活用できるプログラミングモデルを実現して計算機を真に使いやすい道具とすることが重要であり、そのことが人類の直面する様々な問題解決につながります。
当社製品・サービスを有効に活用いただき、心より感謝申し上げます。