2021/04/20
AMD社から、サーバおよびデータセンター向けプロセッサ EPYC 7003 シリーズ(開発コードネーム:Milan)が発表されました。新たに ZEN3 コアを搭載し、コアあたりのキャッシュメモリを引き上げ IPC(クロックあたりの命令実行数)が 19% 向上、4 コアで 16MB L3 キャッシュを共有する 2 ブロック構成から、8 コアで 32MB L3 キャッシュを共有する 1 ブロック構成となり処理効率が向上するなど、性能が向上したことを発表しています。
HPC テックでは定期的にベンチマークを行っており、今回は EPYC 7713 を入手し HPL と姫野ベンチにて性能調査をいたしました。
テスト環境1 | テスト環境2 | テスト環境3 | テスト環境4 | |
CPU | 3nd Gen AMD EPYC 7713 x2 Milan (64Core, 2.0GHz) |
2nd Gen AMD EPYC 7702 x2 Rome (64Core, 2.0GHz) |
2nd Gen Intel Xeon Platinum 8270 x2 Cascade Lake-SP (26Core, 2.7GHz) |
AMD EPYC 7551 x2 Naples (32Core, 2.0GHz) |
MEMORY | DDR4-3200 512GB | DDR4-3200 256GB | DDR4-2999 768GB | DDR4-2666 256GB |
OS | CentOS 8.2 | CentOS 7.6 | CentOS 7.3 | CentOS 7.4 |
各 CPU の仕様や特徴
2nd Gen Intel Xeon Scalable family
・・・・・・・・・・・ HPL 性能 ・・・・・・・・・・・
・・・・・・ AMD EPYC 7713 HPL スケール ・・・・・・
・・・・・・・ 姫野ベンチマーク結果 ・・・・・・・
並列数 | EPYC 7713 | EPYC 7702 | Xeon 8270 | EPYC 7551 |
2 | 20482.2221 | 9748.278479 | 8721.415258 | 7813.871869 |
4 | 49089.8273 | 19232.78329 | 17715.99542 | 16620.25477 |
8 | 89448.0026 | 38224.858 | 33473.69943 | 33399.68011 |
16 | 120239.635 | 59414.04162 | 63969.22835 | 62190.7429 |
32 | 129431.355 | 86679.45636 | 96973.64676 | 83771.55985 |
52 | 118121.619 | 97812.6127 | 95246.92521 | 89080.07067 |
64 | 128818.509 | 106169.9787 | - | 103274.6543 |
128 | 129339.594 | 116369.5886 | - | - |
・・・・・・ 姫野ベンチマーク スケール ・・・・・・
前世代の Epyc 7702 と比較すると HPL ではコア数やクロックが同じで 2 割程度性能が向上しています 。単純なクロック×コア数による性能向上ではなく、よく言われる L3 キャッシュ改良の他にフロントエンドや実行ユニットの強化がこの性能向上につながっていると考えられます。
姫野ベンチマークでも CPU 性能の向上が目立ちます。 EPYC 7702 は 128 並列まで伸びている一方で、EPYC 7713 は同じバンド幅ですが 16、32 並列で早々にメモリバンドを使い果たしています。Xeon 8270 と比べると傾向は同じですがメモリチャンネル分性能が高く、両者共通して CPU 性能に対してのメモリバンド不足が伺えます。
ここでは表に出してはいませんが他のアプリケーションについても性能を調べています。担当営業までお問い合わせください。
HPC テックでは AMD EPYC プロセッサ搭載サーバの無償貸出を行っています。サーバルーム等が無く騒音問題をクリアできないような場合は、弊社ラボにてテストを行っていただくこともできます。
詳しくは担当営業までお問い合わせください。
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